【初めてのAmazon広告運用】基本となる考え方・Amazon広告の特徴を解説

今、投じるべき広告先として「Amazon」が注目されているのは言うまでもありません。購買に直結するEC内の広告となれば、効果(売上)も出やすく、初心者の運用でもそれなりに成果を出せてしまいます。顕在層にダイレクトにアプローチできるAmazon広告は、Google広告やYahoo!広告に比べて圧倒的にCVRが高いのです。

言い換えれば、顕在層以下の潜在層にアプローチする検索キーワードはほぼ成果につながりません。(※そもそも検索されません。)

目次

Amazonの検索キーワードの特徴

例えば、「美顔器」を求めていると考えられる層を例に、潜在層と顕在層のキーワードを比較してみます。

潜在層キーワード:「顔 大きい」「きれいになりたい」「エラ 解消」
顕在層キーワード:「美顔器 おすすめ」「美顔器 人気」「パナソニック 美顔器」

上記のうち、どちらが美顔器の購入に直結しやすいキーワードなのかは言うまでもないでしょう。Amazonというのは、モノを購入するプラットフォーム。悩みを解決するプラットフォームであるGoogleとは、使い勝手が異なり、こうしたキーワードはAmazonで検索されることはほぼありません。従って、Amazonの検索ボリュームはGoogleやYahoo!のそれとは比較にならず、キーワードの競合性や単価の振れ幅が非常に大きいのです。

今や、GoogleやYahoo!の広告について知識があるインハウス広告担当者は多くなり、我々代理店も用語の面においては対等にお話することが可能なのですが、Google/Yahoo!をAmazonにそのままスライドした知識をぶつけられ、Amazon広告を軽視した発言によってしばしば衝突することがあります。

キーワードだけが広告ではない

Amazonというプラットフォームの特徴は、とにかく商品同士を比較させることに長けた構成をしています。

検索結果で見れば、商品が自動販売機のようにずらっと並ばせた形式を取り、商品ページに遷移すれば、あちらこちらにスポンサー枠(商品ターゲティング広告)、レコメンド機能が見られます。ちなみにレコメンド機能の発祥はAmazonだと言われています。それくらいAmazonは商品の比較を重視した構成ということができるのです。

上述したようにAmazonは検索ボリュームがGoogle等と比較してそこまで大きくはありません。検索上位の競合性は非常に熾烈で、新規商品の場合は特にパフォーマンスの面で苦労を強いるはずです。確かにキーワードに広告を投下するほうが成果が分かりやすく、商品比較以前の一次訪問者である可能性が高いため、刈り取りの考え方からすると効率的のようにも思えます。しかし、想定されている以上にAmazonのキーワード広告の戦場は狭く、「全く予算が消化されない」という事態に陥る広告主様も少なくありません。

  • キーワード広告
  • 商品ターゲティング広告
  • ディスプレイ広告
  • ビデオ広告(アメリカ、イギリス、ドイツのみ)

など、Amazonでは様々な露出方法が存在しますので、広告費がそこまで割けない事業者様は「キーワード」以外のところで露出を伸ばした方が効果的なケースもあります。

カートを取得していないとそもそも広告は回らない

ここまでAmazonの広告を説明し、いざスタートさせたいと思っても、カートを取得していないと広告運用が行えません。

Amazonの商品ページは、一つの商品に対して複数の販売セラーが同一ページ内で価格競争を行い、”基本的に”最安値を付けているセラーが販売優先権を得ます。この販売優先権を得ている状況を「カートを取得している」と言います。カートを取得している状況でないと、いくら高単価で入札単価を設定していても、広告費は消化されません。

従って、大手メーカーや、卸販売をメインに行っている事業者様は、転売セラーや卸先に対する何かしらの策を行わないと、自ら価格競争を行う必要が出てきます。

  • 卸先を制限できない
  • 転売セラーを制限できない
  • 値下はできない

など、メーカーによって様々な事情があるかと思います。しかし、「Amazonで売る」「ECモールで戦う」ということは、卸先と同じ土俵に立つことを意味します。ここをクリアにできなければ、Amazonにおいて広告費をかける戦略というのはそもそも失われることを意味します。

「Amazonに出せば売れる」と勘違いしている事業者様も多く見られますが、カートが取得できていなければ、1円でもライバルより高ければ、永遠に自分の販売機会は与えられず在庫を持ち続けることになります。Amazonというのは機械的にカートを割り振っているので、いい意味で、卸先も転売セラーもメーカーも平等なのです。

Amazon広告の運用の前提

今回は、あえてテクニカルなことは挙げず、その前提となる内容をまとめました。メーカーとしてAmazonに初出店するというお客様は、弊社では多く受け持って参りました。しかしふたを開けてみれば、転売セラーが無数といる、卸先に対して価格制限を強いられない、いたちごっこで制約ができない、など結局「Amazon広告が回せない」という事例が頻発しています。ここがGoogleやYahoo!、また楽天と大きく異なるところなのです。

考え方を変えれば、商品は市場に流れていて十分な露出ができているとみることもできますが、メーカー主導によるブランディングがどうしても難しくなります。Amazon広告運用をお考えの方は、まずそのための環境整備を始めるのが先であることを覚えておいてください。

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